要点をまとめて話せないのはなぜか。PREP法・SDS法の前に整理したいこと

要点をまとめて話せないのはなぜか。PREP法・SDS法の前に整理したいこと|ヒューマン話し方教室

要点をまとめて話せない。

この悩みは、案外まじめな人ほど深くなります。

 

雑に話しているわけではない。

むしろ、ちゃんと伝えたい。

誤解なく説明したい。

補足もしておきたい。

そう思うほど、話が長くなる。

 

気づけば、相手の表情が少し曇っている。

自分でも、何がいちばん言いたかったのか、話し終わったあとにぼやける。

 

「要領よく話せない」

「長々と話してしまう」

「何が言いたいのかわからないと言われる」

といった悩みをよくききます。

 

珍しい悩みではなくて、

仕事に近いところで起きていることなのだと思います。

要点をまとめられないのは、話し方の前に“削れない”から

話がまとまらない人は、話す力が足りないというより、削る決心がつかないことが多いです。

 

これも言わないと不親切かもしれない。

背景を省いたら、誤解されるかもしれない。

先にこの話も入れたほうが、丁寧かもしれない。

 

そうやって話題を抱え込んだまま話し始めると、途中で枝分かれしていきます。


要点がないのではなく、要点のまわりに付いているものが多すぎる。

PREP法は、意見や結論を短く渡したいときに向いている

PREP法は、

Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(結論)

という流れです。

 

上司への報告、会議での発言、提案のひとこと。

そういう、まず結論を受け取ってもらいたい場面ではかなり使いやすい型です。

 

たとえば、

「今回の提案はA案で進めたいです。理由は、納期と運用負荷のバランスがいちばんいいからです。先週の検証でも、その条件がいちばん安定していました。なので、まずはA案を軸に考えるのがよさそうです。」

そんなふうに話せると、聞く側は迷いません。

 

ただ、PREP法を知っていても崩れる人は多いです。

理由と具体例がふくらみすぎて、結局また長くなるからです。

 

型を覚えることより、「今日は何を持ち帰ってほしいか」を先に決めることのほうが、実は大きいのだと思います。


話が長くなるときは、たいてい自分を外から見られていません。


「伝えたいことが有りすぎると客観的に自分を見れなくなる」

「一回冷静になってみた方が、伝えたいことをまとめられたり、自分の欠点に気付けたりする」

ということではないでしょうか。

SDS法は、全体像をわかりやすく示したいときに向いている

SDS法は、

Summary(概要)→ Details(詳細)→ Summary(まとめ)

という流れです。

 

これは、説明、共有、案内の場面で使いやすい型です。

最初に全体像を置くので、相手が迷子になりにくい。

 

たとえば進捗共有なら、

「今日は3点あります。進捗、課題、今後の予定です。まず進捗ですが……」

と始めるだけで、聞く側の頭はだいぶ楽になります。

 

PREP法は“結論を渡す”感じ。

SDS法は“地図を渡す”感じ。

そんな違いがあります。

 

要点をまとめて話せない人は、最初のSummaryが弱いことが多いです。

ここで地図を出さないまま詳細に入るので、相手も自分も、どこへ向かっているのかわからなくなる。

型があってもまとまらない人は、話す前にこの3つだけ決めておく

ひとつは、何をいちばん伝えたいのか。

もうひとつは、相手にどう動いてほしいのか。

最後に、どこまで言えば十分なのか。

 

この3つが決まると、PREP法でもSDS法でも使いやすくなります。

 

逆にここが曖昧だと、どんな型もただの入れ物になってしまいます。

中身が多すぎれば、あふれるだけです。

 

個人レッスンでも、本番が近い人が原稿やPowerPointを持ち込み、実際に話し、ビデオで見返し、アドバイスを受けて、必要に応じて繰り返し練習をしていく流れが取られています。


プレゼン、面接、スピーチなど、まさに「本番で短く伝えたい」人が集まりやすい場です。


そこでの気づきも、話し方の技術だけではなく、話す前の整理の甘さだったりします。

 

ビデオで見返すと、

自分では丁寧に話しているつもりだったのに、

前置きが長いとか、

補足が多いとか、

同じことを少しずつ言い換えているとか、

そういうことがよく見えてきます。

うまく話そうとするより、まず短く着地させる

要点をまとめて話せないとき、

つい「もっと論理的に」

「もっと上手に」と考えがちです。


でも、最初に必要なのは、完璧さより着地です。

 

短く言ってみる。

足りなければ、聞かれてから足す。

その順番に変えるだけで、話し方はかなり変わります。

 

PREP法もSDS法も、そのための補助線です。

型そのものが話してくれるわけではないけれど、抱え込みすぎた内容をいったん整える助けにはなる。

 

要点をまとめるというのは、

頭の回転を速くすることではなくて、

今ここで本当に必要なことだけを残す

ことなのかもしれません。

 

全部わかってもらおうとしなくていい。

まずは、ひとつ伝わる。

そこからのほうが、案外、話は前に進みます。