話し方に悩むとき、声や表情のことは気づきやすいものです。
でも、実際に引っかかっているのは、そこではなく伝え方のほう、ということもかなりあります。
何を話せばいいかわからない。
話し始めると長くなる。
結論がぼやける。
自己紹介をしても印象に残らない。
ちゃんと話したつもりなのに、なぜか薄く聞こえる。
このあたりは、話す力が足りないというより、頭の中の交通整理が追いついていないことが多いのだと思います。
伝えたいことはある。
でも、何を先に出せばいいのか決まっていない。
だから、話しながら探すことになる。
伝え方の悩みは、才能より整理の問題として見たほうが、少し落ち着いて考えられます。
伝え方は、話す内容そのものより並べ方で変わる
同じことを話していても、伝わる人と伝わりにくい人がいます。
その差は、内容の濃さより、順番や見せ方の差であることが少なくありません。
話が飛ぶ。
前に戻る。
つなぎが見えない。
何を残したいのかが最後まで見えない。
これだけで、聞く側はけっこう疲れます。
逆に、入口と出口が見えているだけで、話はかなり聞きやすくなる。
結論を急いで言うことだけが正解ではありません。
ただ、どこから入り、何をいちばん残したいのか。
その二つくらいは、自分で見えていたほうがいい。
そこが見えるだけで、話はずいぶん変わります。
伝え方は5つに分けて見ると整理しやすい
伝え方といっても広いので、ここでは5つに分けます。
1. 話の組み立て
-
どこから入るか。
-
どうつなぐか。
-
いちばん伝えたいことは何か。
ここが曖昧だと、話はすぐ散ります。
2. 簡潔さ
長いこと自体が問題ではありません。
-
回り道が多い。
-
同じことを繰り返す。
-
要点が見えない。
そのあたりが、長く感じさせます。
3. 自分の言葉
借り物の表現は、整って聞こえても心に残りにくい。
自分の中に落ちた言葉、自分で意味づけした言葉のほうが、やはり届きやすいものです。
日々見聞きしたことを、
自分の中に落とし込み、
自分の言葉として解釈し、
発言したときに初めて言葉は意味を持つ。
そんな感覚は、伝え方の土台でもあります。
4. 印象に残る工夫
無難に終わらせることはできます。
でも、それだけだと残らない。
少しの意外性や、その人らしさがあると、聞いたあとに輪郭が残ります。
5. 自己紹介
短い。
急に振られる。
印象も残したい。
そのわりに、みんな似たような内容になりやすい。
自己紹介は、小さな話のようでいて、伝え方の問題がかなり詰まっています。
自己紹介が苦手なのは、
緊張するからだけではなく、
やらされる感じや、
何を話せばいいかわからない感じが
重なっていることも多いようです。
伝え方のコツ55項目一覧
話の組み立て
- 話が飛ぶと聞き手はついていきにくい。
- 話が戻ると整理されていない印象になる。
- つなぎがないと、内容は途中で切れて聞こえる。
- わかりやすさは、内容より順番で決まることがある。
- 話の組み立ては、伝え方の中心にある。
- 良い材料も並べ方が悪いと埋もれる。
- 流れが自然だと、聞き手は安心して聞ける。
- 伝わる話には前後のつながりがある。
- 伝わらない話は、内容より構造に問題があることが多い。
- 話の構成は練習で整えられる。
簡潔さ
- まわりくどい話し方は聞き手を疲れさせる。
- 長く感じる原因は、情報量より回り道にあることが多い。
- 言いたいことが見えにくい話は残りにくい。
- 無駄なつなぎや繰り返しを減らすと伝わりやすくなる。
- 簡潔さは冷たさではなく整理の結果である。
- 要点が見えるだけで信頼感はかなり変わる。
自分の言葉
- 借り物の言葉より、自分の言葉のほうが伝わる。
- 自分の中に落ちていない言葉は表面を滑りやすい。
- 生きた言葉は、自分で意味づけされた言葉である。
- 自分の解釈を通った言葉のほうが説得力を持ちやすい。
- 発言して初めて言葉は自分のものになっていく。
- 語彙を増やすだけでは足りない。
- 話の深みは、自分の言葉があるかどうかで変わる。
- 人前での話には、その人の価値観がにじむ。
- プレゼンには、その人の人生観が出ることがある。
印象に残る伝え方
- 無難な話は失敗しにくいが忘れられやすい。
- 印象に残る話には少し意外性がある。
- 聞き手の予想を少し外すと記憶に残りやすい。
- ギャップは短い話ほど効きやすい。
- 事実を並べるだけでは印象は弱くなりやすい。
- 「え、そうなの」と思わせる要素があると注意が集まる。
- ありきたりな自己紹介より、その人らしい話のほうが残る。
- 聞き手の脳に引っかかる要素をひとつ入れる。
自己紹介
- 自己紹介が苦手な人は多い。
- 苦手さは、緊張・強制感・話題不足に分けて考えられる。
- 試される場だと思うほど苦しくなりやすい。
- 自分のことを自由に話せる場でもある。
- 聞き手は思うよりこちらに興味を持っている。
- 「何を話せばいいかわからない」は材料不足とも関係する。
- 型より印象設計を考えたほうがいいことがある。
- 名前・所属・趣味だけでは残りにくい。
- ひとつ意外な切り口があると自己紹介は生きやすい。
- 自己紹介は未来の関係づくりの入口になる。
興味を引く・感情を動かす
- スピーチの役割は情報を渡すだけではない。
- 話し手への興味を持たせることも大切である。
- 感動する話には、技術だけでなく歩みがにじむ。
- 心からの言葉は感情を動かしやすい。
- 言葉は人の心を往復させる。
- 良い話は記憶と感情の両方に残る。
- 話の価値は情報量だけでなく熱量でも決まる。
重み・深み
- 意識が変わると話に重みが出る。
- 意識が変わると話に深みが出る。
- なんとなく過ごしていると話は薄くなりやすい。
- 異なる体験や視点は話の厚みをつくる。
- 自分の考えを持つ人ほど話に芯が出やすい。
「何を話せばいいかわからない」は、能力不足ではない
この悩みは本当に多いです。
でも、よく見ると、何もないわけではありません。
むしろ、頭の中にはいろいろある。
ただ、どれを先に出すかが決まっていないだけだったりします。
だから、話しながら探す。
探しながら言う。
そのうち、自分でもどこへ向かっていたのかわからなくなる。
こういうときは、
話す力で悩むより、
組み立てを考えたほうがいい。
-
話の入口はどこか。
-
話の出口はどこか。
-
いちばん残したいものは何か。
この三つくらい見えるだけで、話はかなり変わります。
自己紹介は、短いのに難しい
自己紹介って、短いわりに難しいです。
-
急に振られる。
-
でも印象は残したい。
-
変にすべるのも嫌。
-
無難すぎるのも嫌。
だから、だいたい似たような形になりやすい。
名前、所属、趣味、よろしくお願いします。
それでももちろん成立はします。
ただ、少しもったいない。
少しだけ意外性を入れる。
少しだけその人らしさを置く。
それだけで、印象はかなり変わります。
無理に面白いことを言う必要はなくて、「その人の輪郭がひとつ見える」くらいで十分です。
聴衆の予想を少し外す内容や、よくある型から少しだけずらした自己紹介は、短い場面ほど効きやすいようです。
届く話と届かない話の差は、うまさだけではない
きれいに話しているのに、なぜか残らない人がいます。
逆に、少し不器用でも妙に残る人もいます。
この差は、話術だけでは説明しきれない気がします。
自分の中で考えたことがあるか。
経験を言葉にし直しているか。
借り物ではなく、自分の言葉になっているか。
話し方の上達は、うまく見せることだけでは終わりません。
自分の言葉を持つことに、静かにつながっていく。
伝え方を考えていると、結局そこに戻ってくることがあります。
まとめ
伝え方の問題は、話す内容より整理の問題であることが少なくありません。
-
何を先に出すか。
-
どこから入り、どこで終えるか。
-
何をいちばん残したいか。
- 借り物ではなく、自分の言葉になっているか。
このあたりが見えてくると、話はずいぶん変わります。
うまく話すというより、相手が受け取りやすい形に整える。
伝え方のコツは、そのくらい普通のところにあるのだと思います。
次に読むなら、自然につながるのはこのあたりです。
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