
「私は正しいことを言ってるのに、なぜか相手に伝わらない…」と感じる方に向けて、お話ししたいと思います。
「ちゃんと間違っていないことを伝えたのに、なぜか反発される」
「言い方がきついって言われてしまうけど、そんなつもりはないのに…」
そんな経験、ありませんか?
相手が話を“受け取れない”理由
あなたがどんなに正しいことを言っていたとしても、相手がその話を受け取れる状態になっていなければ、内容は届きません。
たとえば…
- すでに心の中がいっぱいで余裕がない
- 自分を否定されるかもという警戒心がある
- そもそも「聞く姿勢」が整っていない
こうした状態のとき、人は【正論】でさえ素直に受け入れることができません。
まずは「聞ける空気」を整えることから
相手に話を伝えるためには、まず相手の中にスペースを作る必要があります。
いきなり正論を投げかけるのではなく、相手が話を聞ける“心の余白”をつくることから始めましょう。
たとえば…
- 焦らずゆっくり話す
- 穏やかな口調で話す(語尾を強くしない)
- すぐに結論を言わず、相手の話をまず受け止める
あなたが落ち着いて話すことで、相手の緊張もゆるみます。
これだけでも、相手の心は「聞くモード」に切り替わりやすくなります。
「同じ言葉なのに、違って聞こえる」ことがある理由
ここで、伝わり方に影響する要素について少し触れておきます。
「人は話の内容よりも、見た目や声の調子から大きな印象を受けている」というものです。
具体的には、話の印象は以下の3つで決まると言われています。
- 視覚情報(見た目・表情・しぐさなど)…55%
- 聴覚情報(声のトーン・話し方)…38%
- 言語情報(言葉の内容)…7%
つまり、いくら内容が正しくても、表情や声のトーンによっては「きつい」「攻撃的」と受け取られてしまうことがあるのです。
これは、心理学の研究で「メラビアンの法則」というものです。
相手の話を“受け止める”ことから始める
伝える前にまず意識していただきたいのが、「相手の話を聞くこと」です。
これは受け入れるというより、聞く空気をつくる という意味に近いかもしれません。
そのときのおすすめは、次の5ステップです。
- うなずく
- あいづちを打つ
- 相手の言葉をくりかえす
- 要点をまとめる(要約)
- 感情に寄り添うフィードバックをする
この段階では、自分の意見はまだ出さなくて大丈夫です。
相手が「受け止めてもらえた」と感じることで、はじめて あなたの言葉が入る余地が生まれる からです。
意見を伝えるときのコツは「やさしい提案」
相手の話を聞き終えたあと、いよいよあなたの意見を伝える番です。
そのときは、できるだけ「強く断定しない」「提案するように伝える」ことを意識してみてください。
- 正論が“正しい”とは限らないと知っておく
- 言う必要のないことはあえて言わない
- 弱点を突かない、探さない
- 相手にも考えや工夫があると認める
- 「〜してはどうでしょうか?」という言い方で提案する
- オブラートに包んだ表現を心がける
伝える内容よりも、「伝え方」のほうが、ずっと大きな影響を与えることがあります。
強く言うより、「やさしく印象に残す」
どうしても、注意が必要な場面 もありますよね。
そういうときは「怒る」「強く言う」のではなく、
少し控えめに伝えるくらいが、かえって印象に残る
ことがあります。
怒られた記憶は「怒られたこと」しか残りませんが、
やさしく伝えられた言葉は、「あのときの伝え方」が心に残るものです。
まとめ
正しいことを言っているのに伝わらない...
それは、内容の問題ではなく相手の受け取れる状態と伝え方のバランスに理由があるかもしれません。
- まず相手の心にスペースを作る
- ゆっくり、やさしく話す
- 相手の話をしっかり聞く
- 提案する形で、自分の意見を伝える
この流れを意識するだけで、驚くほどスムーズに話が届くようになります。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
「伝えたいのにうまく伝わらない」と感じたとき、ぜひ今回の内容を思い出してみてください。
あなたのお話が、相手の心にしっかり届きますように。
ヒューマン話し方教室は、場かず、場慣れ、立ち慣れのための、話しのトレーニングジムです。